1日、NATO即応部隊のフランス軍がルーマニアに到着する。フランス軍が即応部隊の中心となっており。ルーマニアに500人・エストニアに300人の部隊を派遣予定。今後、「何千人もの規模の部隊」を逐次派遣する予定。NATO非加盟国のフィンランドは「ライフル銃の供与」・スウェーデンは「対戦車砲などの供与」を決定発表する。
中立の立場にあったフィンランドとスウェーデンが、「ウクライナ支援」という旗幟を鮮明にした形と成る。
3日、バイデン大統領は、「ロシアの新興財閥・プーチンの側近・財源」であるオリガルヒに経済制裁を科すと発表する。オリガルヒからの世界の金融システムや先端技術へのアクセスを遮断する。ロシアで最も裕福な富豪を含む8人とその家族の米国にある資産を凍結する。
オリガルヒはソ連崩壊後の混迷期、社会主義から資本主義へと移り行く中、政治家と癒着し関係を強固にし、財を成した新興財閥の富豪である。
4日未明、ウクライナ南東部ザポリージャ原発がロシア軍の攻撃を受け、火災が発生する。ザポリージャ原発はヨーロッパ最大規模で原子炉が6基。ウクライナ発電供給量の4分の1を占める。ウクライナ非情事態庁によると、火災発生場所は原子炉ではない訓練施設であるという。
ウクライナ・クレバ外相は「原発が四方八方から攻撃を受けている。爆発すればチェルノブイリ原発事故の10倍の規模となる。」と発表する。
バイデンのオリガルヒへの経済制裁・NATOの即応部隊の動きに対して、即座に、プーチンが「原発へのミサイル攻撃・占拠」という威嚇に撃って出た感が有る。
バイデンのオリガルヒへの制裁が、プーチンへの打撃と成って貰いたい。
先月27日、アメリカに亡命したロシアの資産家アレックスコナニキンが、SNSに「お尋ね者・生死を問わず。大量虐殺者ウラジミールプーチン。プーチンを戦争犯罪者として逮捕した警官に100万ドル支払うことを約束する。」と投稿する。
サッカー・イングランドプレミアリーグ強豪「チェルシー」を所有するアブラモビッチは「チェルシーを売却し、売却益はウクライナ侵攻の犠牲者の支援に充てる」と発表する。
ロシアのアルミ王・オレグデリパスカは「平和はとても重要だ。出来るだけ早く交渉を始めなければならない。」とロシア通信アプリに投稿する。
ロシアの富豪たちが、挙ってプーチンを支援し、財源に成っているわけではない。ロシア国内でプーチンとオリガルヒが揉めるという事態は、プーチンの動きを止めるという抑止力と成り得る。
ロシア国営RIA通信が誤報で流してしまった「ロシアが二日でキエフを占領した」予定原稿。RIAは即座に削除する。が、wayback machineにしっかり補足され、世界に発信される。プーチンは48時間でキエフを占領できる心算でいたようだ。
予定原稿のタイトルは「ロシアの攻勢と新世界」。
「目の前で新世界が生まれようとしている。ロシアのウクライナにおける軍事作戦は新時代をもたらした。ロシアはその統一を回復しつつある。
1991年の悲劇。我らが歴史上の恐るべき大災厄。その不自然な断絶は克服された。多大なコストが掛かり、実質的な内戦という悲しい出来事を経てのことでもあった。ロシア軍とウクライナ軍に隔てられていた兄弟たちが、今なお撃ち合っている。だがいまや反ロシアとしてのウクライナはもはや存在しない。ロシアはその歴史的な完全性を取り戻し、ロシア世界をまとめ、ロシアの人々を一体としている。
その大ロシア人、ベラルーシ人、小ロシア人というすべてを。これを放棄してたなら、この一時的な分断が何世紀も続くのを容認していたら、先祖の記憶を裏切ることになるだけでなく、ロシアの大地の解体を許したことで、子孫たちに呪われることになるだろう。
筆頭の問題は常に、分断された人々のコンプレックス、国民的恥辱のコンプレックスだ。ロシアという家はまずその基礎の一部キエフを失い、更に二つの国家として、一つの国民ではなく二つの国民として存在するのを受け入れねばならなくなった。これはつまり自らの歴史を放棄し「ウクライナだけが真のロシアだ」といったイカれた主張に同意させられたり、あるいは無力に歯噛みして「我々がウクライナを失ったとき」を思い出させられるということだ。ウクライナを取り戻すこと、つまりロシアの一部に戻すのは、10年ごとにますます困難になる。
ロシア人の脱ロシア化、ウクライナの小ロシア人たちをロシアに歯向かわせる動きが勢いを増すからだ。そして西側がウクライナに対し、全面的な地制的、軍事的支配を掌握してしまえば、そのロシア復帰は完全に不可能と成る。
大西洋ブロックと戦わねば取り戻せない。
いまやこの問題は無くなった。ウクライナはロシアに戻った。これは別にその国家体制が解体されるということではないが、再編されて、再確立されて、ロシア世界の一部という自然な状態に戻ると言うことだ。
そしてここに、きたるべき新時代の第二の側面が始まる。
これはロシアの西側との関係をめぐるものだ。ロシアですらない。ロシア世界全体、つまりロシア、ベラルーシ、ウクライナの三国家が、地制的に単一の国家としてふるまうのだ。こうした関係は新しい段階に入った。
西側はロシアがヨーロッパとの歴史的な国境に復帰するのを見ている。そしてこれに対して大声で不満を述べているが、魂の奥底では、その西側ですら、それ以外の形が有り得ないことを自分に認めざるを得ないのだ。
旧ヨーロッパの首都、パリやベルリンのだれであれ、モスクワがキエフを諦めるなどと本気で信じていたのだろうか。ロシア人たちが永遠に分断された人民であり続けるなどと。しかもそれが、ヨーロッパが統合され、ドイツとフランスのエリートどもがヨーロッパ統合の支配権を、アングロサクソンからもぎとって、統一ヨーロッパをまとめようとしているときに。ヨーロッパ統合が可能になったのはドイツが統一できたおかげでしかなく、そのドイツ統一はロシアの善意のお陰でしかなかったのだ。それがロシアの大地でも起こるのに不満を抱くのは、恩知らずにもほどがあるだけではなく、地制的な愚行だ。西側全体、まして特にヨーロッパは、ウクライナを影響圏に留めておくだけの強さを持っていなかったし、ましてウクライナを自分で奪取するだけの強さはなかった。これを理解しないとなると、どうしようもない地制的な愚者と言わざるを得ない。
もっと正確に言えば、選択肢は一つしかなかった。ロシア、つまりはロシア連邦の将来の崩壊に賭けるということだ。だがそれが上手くいかなかったという事実は、20年前に既にはっきりしていたはずだ。そしてすでに15年前のプーチンのミュンヘン演説の後では、つんぼですら聞こえたはずだ。
ロシアは復活しつつあるのだと。
いまや西側は、ロシアが戻ったという事実の為、ロシアを犠牲にして儲けようという計画を正当化しなかったため、西側の領土を東に拡大するのを容認しなかったために、ロシアを罰しようとしている。我々を罰しようとするにあたり、西側は自分たちとの関係がロシアにとって決定的な重要性を持つのだと考えている。だがもうとっくの昔にそんな状況ではなくなっていた。
世界は変わったのだし、これはヨーロッパ人だけでなく、西側を支配するアングロサクソン人たちも良く分かっていることだ。ロシアに西側がどれだけ圧力をかけても、何も起きない。双方には対立の昇華に伴う損失が生じるが、ロシアは道徳的にも地政学的にもそれに耐える用意がある。だが当の西側にとって、対立の高まりは巨大なコストがかかる。
しかも、その主要なコストはまるで経済的なものではないのだ。
ヨーロッパは西側の一部として自立を求めた。
ドイツによるヨーロッパ統合の活動は、アングロサクソンがイデオロギー的にも、軍事的にも、地制的にも旧世界を統制している状況では筋が通らない。そう、そしてそれは成功することも出来ない。というのもアングロサクソン人たちは、統制されたヨーロッパを必要としているからだ。だがヨーロッパは、別の理由から自立性を必要としている。
アメリカが孤立主義に入ったり(これは高まる国内の紛争や矛盾の結果だ)あるいは地制的な重心が移行しつつある太平洋地域に注目するようになったりしかねないからだ。」。
原発をミサイル攻撃するファシストの脳内は、ごちゃごちゃしている。
要約する。
「ウクライナはロシアの一部である。魅力も力も無いヨーロッパが、文句を言うな。今まで、世界を支配してきたのはアングロサクソン人である。ウクライナを取り戻したロシアが、リーダーとして新世界を創り上げる。」。
前半は「科学的歴史認識の欠落」後半は「ディープステート陰謀論」である。
トランプに成り代わって、プーチンが「ディープステート(アングロサクソン)と闘う光の騎士」と成るそうだ。
付き合い切れない被害妄想と、陰謀論に洗脳された惨めな独裁者の悲哀がある。