元ウォール街のヘッジファンドの裁定取引トレーダー・元証券会社トップサラリーマン・自称カリスマトレーダー。
米国のSNSに、ロビンフッダー達に方向性を指し示す、指南役が存在するように、日本にも、投資顧問詐欺師が存在する。
全員、概ね、若く。経験不足・勉強不足であり、目先の損得しか見えていない。3年後の未来を、見ようとしないから。口から出まかせの、無責任な「今が底値」「今が買い」「爆益のチャンス」発言に終始する。
FRBの量的金融緩和政策QEの歴史。量的緩和第一弾は、08年11月から10年6月まで、バランスシートは0・9兆ドルから、2・2兆ドルまで拡大している。QE1である。
量的緩和第二弾は、10年11月から11年6月まで、バランスシートは2・3兆ドルから2・9兆ドルまで拡大している。QE2である。
量的緩和第三弾は、12年9月から14年10月まで、バランスシートは2・9兆ドルから4・5兆ドルまで拡大している。QE3である。
投資顧問詐欺師どもは、「QE4は、武漢ウィルスのパンデミックから、開始された」と、歴史を修正する。
QE4は、19年の9月から、開始された。8月14日に10年国債と2年国債の利回りの逆転、逆イールドが発生し。9月にはレポ市場の金利が10年ぶりに急騰し。NY連邦準備銀行がレポ市場に量的緩和マネーを注入し、金利の急騰を抑制した。
19年9月の量的金融緩和政策開始が、QE4の開始である。
明らかな量的金融緩和政策をFRBが「QE」であると認定しない為、QE4は、「隠れQE」と呼ばれた。
FRBが、何のために、量的金融緩和政策を実施するのか。
リーマンショックで壊れかけた金融市場を、何とか持ち直す為である。リーマンショックの金融バブル。サブプライムモーゲージ債権CDOとクレジットフォルトスワップCDSの爆発によるバブル崩壊は、崩れ切っていない。
その後、金融市場が崩壊しかけるたびに、FRBが、量的金融緩和政策というカンフル剤を注入し、金融市場を延命させている。
FRBとウォール街の金融ヤクザどもとの思惑は、喰い違っている。
FRBが金融市場を護る為に、注入したカネで。ウォール街のハゲタカどもは、レバレッジドローン担保証券CLO・自動車サブプライムローン担保証券ABS・不動産担保証券MBS、金融詐欺商品デリバティブを量産し、壊れかけている金融市場を、更なる金融バブルで、歪に膨らませた。
これが、リーマンショック後の「10年」のアメリカ金融市場の黒歴史である。
パンデミックの終息後、疲れ切った所に、米経済の金融バブル崩壊が来襲すると、見立てていた。最悪、オミクロン株・更なる変異株の蔓延で、パンデミックの最中に、金融バブル崩壊が重なるという、悪夢も有り得そうである。
パウエル議長が「テーパリングの開始」「テーパリングの加速」を決意したのは、再任されてタカ派に転身したからではない。
アメリカ経済が、2%のインフレターゲットを通過し、6・8%のインフレと成る。インフレを抑制する為には、「6か月かかるテーパリングを3か月で終わらせる」「22年に3回の利上げを行う」「22年3月には第一回目の利上げに踏み切る」必要がある。
インフレの原因は、コロナ禍により実態経済の世界のサプライチェーンの混乱が長期化し、生産・調達・物流、全てが停滞し、商品の在庫不足から価格高騰が生じる、供給不足にある。半導体・マイクロチップ・エネルギー・ガソリン・新車・中古自動車・アパレル、全て、供給不足である。
50年・58年・70年・75年・80年・82年・90年・02年・09年。過去、70年間、インフレ加速後、ことごとく、景気後退が発生している。
今回のインフレも高止まりすれば、景気後退リセッション入りは、避けられない。
パウエル議長は「アメリカのインフレは一時的な現象ではない」と発言を修正している。現在のアメリカ経済のインフレはFRBが解決すべき第一課題なのである。
インフレ解消の為には、テーパリング・利上げ、は不可欠である。
インフレだけが加速すれば、賃金が上がらない人ほど、生活が苦しくなり、消費が鈍化する。消費が鈍化すれば、人件費が経営圧迫し、企業は、大量リストラに走る。失業率が上昇すれば需要が減少し、景気後退リセッション入りする。
失業率が上昇し、労働市場が悪化した場合。FRBは政策金利を引き下げる。
パウエル議長の舵取りの難しさである。利上げと利下げとのタイミングが絶妙で無ければ、アメリカの実態経済も、崩壊する。
更に、FRBは、量的引き締めQTの開始にも取り組まねばならない。現在、FRBの総資産額は、8兆7000億ドル。コロナ危機直前の4兆2000億ドルから、倍増している。
量的引き締めQTにより、FRBが保有する米国債などの残高を圧縮する作業が必要である。FRBが長期国債を大量に持ち続ければ、国債の需給を引き締めてしまい、長期金利が上がりにくい状況が続く。そのまま、金利だけを上昇させれば、再度、10年国債と2年国債の逆イールドが発生する。
FRBは金融政策正常化作業の最後の仕事として債券を市場に放出するQTを開始しなければならない。
前回、17年10月、QT開始後、S&P500は、12%暴落し。18年9月から12月にかけて、20%暴落している。
次回のQTは、遅くとも、23年になる。
オミクロン株・更なる変異株のパンデミックの中、テーパリング・利上げ・QTを矢継ぎ早に、実施した場合。金融経済・実態経済、共に、ハードランディングを、来しかねない。
現在、全ての、金融市場の商品は「バブルのあだ花高値」なのである。
投資顧問詐欺師どもは、3年後の経済市場の惨状を視ようとしない。
ペテン師のカリスマである。